- 機材・レビュー
もともと山ではα7SにLA-EA4をつけて、ミノルタのAF24-105/3.5-4.5(D)とAF17-35/2.8-4(D)を使用していましたが、これを代替することを目的に購入しました。
今までF4通しのレンズは触ったことがなかったので、箱を開けてみて最初に思ったのは、大きくて重たいということでした。
特に重量に関しては、LA-EA4+AF24-105が160g+395gで555gであるのに対し、SEL2470Zは426gです。LA-EA4+AF17-35は160g+430gで590gであるのに対し、SEL1635Zは518gと、それぞれ幾分かは軽くなっていますが余りその結果は感じることができません。
それもそのはず、LA-EA4+AF24-105+AF17-35で985g、SEL2470Z+SEL1635Zで944gとほぼ変わりません。というか、レンズ単体だとむしろ増えているし。そういうことか。。。
α7S + SEL2470Z(LEE Soft Focus Filter)『北天を見上げて』
SEL2470Zですが肝心の写りは夜間撮影ということ、ボディが低画素のα7Sということが条件になりますが、少し残念という感じかと思います。電子補正が前提とされているようで歪曲ははっきりと分かります。
解像度という意味では中央は良好ですが周辺は流れてしまいます。ある程度絞ると改善するので、日中の風景写真ではあまり困ることはないかと思いますが、絞りを開放近くで使用する星景写真では少し厳しいかな、というのが感想です。
α7Sは高感度側に余裕があるので、最悪ISO感度を上げてレンズ側で絞るとなんとかなると思います。また、ソフトフィルターを使う場合は解像度はある程度犠牲になるので、これは考え方ということでしょうか。
α7S + SEL2470Z『1時間の小旅行』
SEL1635ZはSEL2470Zに比べると歪曲は押さえられているようです。超広角だと標準よりも歪みは大きそうですが、自分は逆の印象を持ちました。
解像度についてもSEL2470Zよりも良いように思えます。F5.6と解放から一段絞った状態でも中央・周辺共によく解像していました。広角レンズだと周辺光量落ちが気になることがありますが、それもこのレンズは優秀な方だと思います。よく補正されていると思います。
F4の開放はまだ調査していませんが、総じてF5.6では十分使えるのではないかという印象を持ちました。
α7S + SEL1635Z『後光』
両方のレンズ共に逆光性能はよい模様で、月を画面に入れても強烈なフレアやゴーストが発生することはありませんでした。昔のミノルタレンズの場合はゴーストが発生してしまうことがあり、真正面から月を入れることは少なかったのですが、対応が可能になりました。
レンズの構成と、特にコーティングが最新のものなので、その恩恵を受けているのかなと思います。
α7S + SEL2470Z『月光浴びて』
また、両レンズ共に手ぶれ補正がレンズ側に入っているので、ボディ内手振れ補正がないα7Sでも手振れ補正が有効になります。α7Sは高感度に余裕があるので手振れ補正はなくても何とかなるシーンが多いのですが、少し暮れてきた時などは有効になると思います。
ただし、レンズ側に手振れ補正のON/OFFスイッチがないのでマニュアルでスムーズに切り替えることは難しそうです。ボディ側にも専用切り替えスイッチはないので、Eマウント機のI/Fの駄目さがよくわかります。
α7S + SEL1635Z『月よまた今度』
総評として、通しF4のレンズということで期待が大きかったのですが、ちょっと落胆したところもあります。
特にサイズと画質があまり連動していないのは少し困ります。正直な話だと、このぐらいの画質ならもう少し小型化ができたのでは、と思うところもあります。山に持って行くことも考えると、無理して2本買うことはなかったかなぁ、と思うことすらあります。
ただ、逆光性能が非常に向上したところは嬉しいです。太陽や月、街灯などの強烈な光源を入れて切り取れるようになりました。この点はAマウントのレンズも新しいものに更新していきたい欲求に駆られます。お金は無いから当分無理ですが。。。^^;
最終的に写真は撮影者の感性とか腕、経験に依存するものと考えているので、自分には十分すぎるレンズです。どんどん持ち出して使って、元を取りたいと思います。