東西南北で長時間露光 [夜景]

富士山を被写体にして東西南北で長時間露光を行っているので、一つにまとめてみようかなと。

長時間露光なのでコンポジットではありません。
一発撮り派なので、本当に1時間とかシャッターを開きっぱなしにして撮影したものになります。
この方法は今では少なくなったとは思いますが、フィルムを併用している自分にとってはよくやる方法です。



まずは東から。

Climber's night
α900 + AF20/2.8New『登山者達の夜』


7月の終わりに撮影したものになります。
登山者達が真夜中に登っており、ヘッドライトの明かりなどがしっかりと写っています。
この日は天気が良く、ご来光もよく見えたものと思われます。

東から撮影しているので西を写すことになり、沈んでいく星達の軌跡が残ります。これで30分ほどの露光になります。
湖面に映り込む光などを弱くするために、ハーフNDを使用して富士山の下の光を押さえています。

気温が夜でも高いこの時期は、α900での長時間露光ではノイズが乗りやすくなります。
現像ソフトのCapture One Pro 10と、レタッチソフトのPhotoShop CS6のNik Collectionを使用してノイズを処理してなんとかしています。
天の川の撮影とかにも該当すると思うのですが、後処理の進歩の恩恵がとっても大きいように思えます。



続いて西です。

Moonrise
α99 II + 14mm F2.8 ED AS IF UMC『月よさらば』


星の軌跡は東とは逆になるのですが、14mmという超広角レンズを使用しています。
左上は北天を回るような円となっていますし、右下はそれとは逆の円となっています。
より広角の12mmで撮すとどうなっちゃうのでしょうか。。。ちょっと興味あります。

α99 IIのベースISO感度は100となっているので、α900の200に比べると倍の時間を露光することができます。
これで1時間ぐらいの露光になります。もちろんシャッター開きっぱなしです。

長時間露光はセンサーに良くない、なんていわれています。
実際そうなのかもしれませんが、使い倒す方が優先なのでそんなことは気にしません。
α900でもしょっちゅう長時間露光をしてしましたが、日中帯の撮影で不具合を感じたことがないんですよね。
ということで、α99 IIでも長時間露光をよくやっています。



さてさて、続きは南です。

A track for 1 hour
α7S + SEL2470Z『1時間の軌跡』


いわゆる北天グルグルですね。周極星撮影というのが本来の言い方ということだそです。

周極星撮影を含めて、長時間露光は天気が安定していないと途中で雲にやられてお釈迦になってしまいます。
その天気が安定するのは秋から冬が多いので、自分もこの手の撮影はその時期に行うことが多いです。
初夏でもたまに天気が安定することがあって、その場合は夏の富士山が写ります。雪をがぶった冬の富士山はとちょっと異なって面白いですね。

本当は三つ峠に登ってそこから撮影と思っていましたが、不安定な天気だったので、反対の南に移動しての撮影でした。

左下に流星のようなものが写っていますが、はたしてこれが流星なのかは不明です。
イリジウムフレアというものがあって、要は、衛星電話の衛星が光を反射しているということが多々あるためです。
計算によってあらかじめ分かるらしいので、それを撮影している人もいます。
ISSも計算で分かり、こちらも撮影対象になっています。夜空は奥深いものです。



最後に北ですね。

Dyed in the color
α99 II + AF20/2.8New『染まる雲海』


12月の初頭に撮影したものです。場所は超有名なあそこです。
北から撮影すると富士山の上にアーチが架かるように星の軌跡が残ります。
たぶん、富士山の上にある一番明るく写っている線はシリウスかなぁ。。。

雲海に出会うことはありますが、色付き雲海に出会ったのは久しぶりでした。
深夜2時頃の撮影ですが、ここまで出かけてきて一晩頑張った甲斐がありました。
人々が寝静まった静かな夜、なはずですが、現場はたくさんの人でごった返しており、いろいろな方とお話をして楽しい夜でした。

長時間露光を行う場合は、デジタルの場合はそれほど難しくはなく、テスト撮影とそこからの計算で終わりです。
逆に難しいのが大きな輝度差ですね。これにはハーフNDやリバースNDが欠かせません。
これらのフィルターをうまく使うことができるかがキーになるかな、と思っています。


テクニック以外で難しいのは、やり直しが利かないということだと思います。
長時間露光はその名の通り時間をかける必要があるので、同じ時間をかけることが難しいシーンが多いものです。
星は移動してしまいますし、天候が変わってしまうこともあります。

コンポジットは後から合成する写真を選ぶことができるので、失敗が少ないというメリットがありますね。
タイマーレリーズ等が必要になることがありますが、これもそれほどの値段ではありませんし。。。
輝度差が大きくてもうまく合成することができるので、コンポジットのメリットは大きいと思います。

両方使えて、適切なチョイスができるようなれば良いなぁ、と自分に言い聞かせています。



いつもとは違う形でお届けしました。。。
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コメント 7

kazu-kun2626

凄く勉強になりましたよ
by kazu-kun2626 (2017-05-31 06:56) 

imarin

ちょうど最後のところの記事をUPしたところ^^
雲海が溶け込むようなカラフルな街灯り素敵ですね。
また行きたくなってきた!
by imarin (2017-05-31 13:49) 

まさ

まるで宝石箱のよう、特に最後の1枚は雲海が綺麗ですね~^^
by まさ (2017-05-31 21:09) 

kyon

綺麗ですね。
やはり富士山があると特別な雰囲気が出ますね。
私はコンポジットに挑戦してみようと思います。
by kyon (2017-06-01 00:06) 

ナビパ

星降る夜撮影は憧れです。
うちの方では街明かりで星があまり見えません。
やっぱりお出かけしないとダメですね。^^;
by ナビパ (2017-06-02 07:28) 

Atwight

kazu-kun2626 さま
何かのネタになれば幸いです。
まだまだこれからも頑張ります。

imarin さま
天の川が写っていますね。
自分も今年の夏は天の川を撮りたいと思います。

まさ さま
最後の一枚はスペシャルです。^^;
なかなかこういうものはとれません。。。

つづく。
by Atwight (2017-06-02 22:21) 

Atwight

kyon さま
コンポジット用のタイマーレリーズが5本あります。。。
予備を含めてですが、少々買いすぎました。。。orz

ナビパ さま
自分の家からだと星は見えません。
やはり、お出かけが必要になってしまいますね。
by Atwight (2017-06-02 22:22) 

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